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≫2005年07月

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『ソラリスの陽のもとに』 / スタニスワフ・レム


soraris


ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫)
スタニスワフ・レム 飯田 規和
早川書房 1977-04





最近 S・ソダーバーグ監督に再映画化され、原作者レムのファンや初映画化したタルコフスキーファンから評判が悪い。哲学性の深い映画だけに哲学の発達しないアメリカでは無理な話か。


地球とは別宇宙の惑星ソラリスの地表を覆う海。この海が何らかの知的能力を持ち、上空に浮かぶ地球のステーションの乗組員の記憶を探り、その中枢部分にあるものを物体化する。乗組員の発狂や自殺が相次ぐ中、主人公は自殺して死んだはずの妻と遭遇する。科学者たちはこの高度な知性を持ちながら交流不可能な生命体であるソラリスの海に放射線を照射しようとする。


ソダーバーグがこの作品のテーマに愛を据え置き、タルコフスキーは宗教性を強調しようとする。


しかしレムがこの原作で描きたかったものは不可知論であると思う。超人間的な存在に向かって、なお合理性を当てはめて人間の思考の枠の中で物事を捉えようとする人間の愚直さをさらけ出すことにこの作品の主題がある。だから主人公と死んだ妻の交流も甘いものではなく、主人公の苦悩を延々と描かない訳にはいかないのだ。


レムはポーランドの作家である。ポーランドはアウシュビッツの存在した国であり、ナチスの人体実験が行われた場所でもある。それゆえかポーランドという国はヨーロッパ諸国の中では珍しく臓器移植を禁じた国である。


不可知論というものは人間の知性そのものに信用を置けない立場である。レムの数々の人間の知性が行き止まりで崩壊するような苦いクライマックスを導く作風が、忌まわしい近代知性の負の土壌を背負った国から生まれたというのは計らずも哀しい取り合わせである。



ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)
(2004/09)
スタニスワフ レム




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