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光の雨


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光の雨


2001年 日本映画
監督:高橋伴明
原作:立松和平
出演:山本太郎 祐木奈江 大杉漣


あらすじ-goo映画




日本映画史上初めて直接的に連合赤軍事件を題材にした映画。パロディにした映画なら大阪芸大生らが作って評判になった『鬼畜大宴会』がある。しかし『光の雨』はテーマそのものになっている。しかし複雑な構造でこの重い主題に取り組んでいる。


実在する立松和平のやはり連合赤軍事件がテーマの同名小説を撮影しようとするスタッフと役者たち。これが映画の基本となる舞台である。連合赤軍事件の描写自体は彼らが製作・出演する劇中劇の中で映像的に再現される。つまり間接的に主題のモチーフに対してアプローチし、そのまま事件を劇そのものとして描くことからワンクッション置いたわけである。しかし劇中劇で再現される連合赤軍の山岳アジトの中で行われた「総括」という名のリンチの暴力描写は、やはり初めて視覚化されたとあってかなり衝撃的で凄惨である。


この劇中劇として描いた点がこの映画『光の雨』の評価を賛否両論を呼んだ。これが現代の人の視点に立って連合赤軍事件の意味を解明しようとした、という人もいれば、事実関係に直接踏み込みことを避けてスキャンダラスな問題性を招くことから逃げた、と批判する人もいる。


そもそも立松和平の原作からして事件を複雑な視点から描いている。設定は死刑制度が廃止された近未来で坂口弘がモデルとされる主人公が釈放され、死ぬまでの時間を連合赤軍など知りもしない少年に事件の真実について語る、という構造を取っている。わたしはこの小説の形態はなかなか面白いと思った。なぜなら連合赤軍事件の意味付けというのは現代から振り返ればこの小説の世界から振り返る時間性にかなり近い。つまりもはやわたしの世代からしてみれば連合赤軍も学生運動もセクト間の内ゲバも、もはや太平洋戦争を考えるのと同じくらい化石のような感覚なのだ。重く深刻な事実であればこそ忘却が促進され、無意味の更新の中へ意味が刷り込まれていく。連合赤軍事件から学ぶ示唆は多いが、第一にこうしてもはや権力以上の何ものかの力によって事実が葬られてゆくこと自体が大いなる示唆となりうるのではないか。このようなやり切れない負から負へと落ちてゆく仲間殺しという不毛な話こそ省みることに余りある意味の空白が漂泊していると思う。


だから映画も立松和平原作に忠実に描けばよかったと思う。少なくとも劇中劇を経たキャストがありきたりな事件への感想をスクリーン上で述べるなどという、中途半端でいかにも凡作の展開は取らなかったはずだ。高橋伴明は生半可にこの連合赤軍と世代を同じくして接しているために、自己感慨が強い、逆に言えばオジサンの言い訳がましい回想的雰囲気を残した駄作へと引きずってしまった。大杉漣の演じる役ははっきり言って無駄だったと断言しよう。




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光の雨 特別版光の雨 特別版
(2002/12/21)
萩原聖人







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